犬が雷や花火を怖がるときにできること

雷や花火を怖がる犬に一番効くのは、音が聞こえ始めるよりずっと前から、部屋にいつもの生活音のようなものを流しておくことです。ノイズマシンが手元になければ、Sloならブラウザで無料でブラウンノイズを再生でき、タイマーをかけてそのまま流しておけます。あわせて、犬がもともと安心している場所を用意しておき、鳴り出したらそばで普段通りに過ごします。厄介なのは雷のほうで、犬は雷鳴そのものより先に気圧の変化を感じ取ることがあり、ここはどんな音を流しても防げません。
当日にすること
日が暮れる前に散歩と食事を済ませておきます。花火大会や夕立の予報がある日は、庭や玄関のドア、窓、網戸、キャットドアまで確認し、しっかり閉めておきます。怖がった犬は普段では考えられない隙間からでも飛び出すので、首輪の迷子札とマイクロチップの登録情報も、この機会に確認しておくと安心です。
犬のベッドは、クレートや使い慣れた寝床など、もともと落ち着ける場所にそのまま置いておきます。カーテンや雨戸を閉めるのは、音を少し和らげるためだけでなく、光や稲光を見えなくする意味もあります。
音は、最初の音が聞こえる何時間も前から流し始めます。花火なら開始時刻の分かる午後のうちに、雷なら空が暗くなってきた段階で早めに始めておくと安心です。色はブラウンノイズを選びます。低い音域にエネルギーが集中しているため、遠くの花火のこもった音や雷鳴の低い部分を覆いやすいからです。音量はドアの外からかろうじて聞こえるくらいから始め、犬の様子を見ながら少しずつ上げます。
再生ボタンを押してタイマーをかけたら、あとは夕方から夜までそのまま流しておくだけです。
鳴っている間
音を流し始めたら、あとは犬のそばで普段通りに過ごします。犬が自分から寄ってきたら、撫でても抱いても構いません。逆に隠れたままでいたいなら、無理に引っ張り出さず、そこにいさせてあげます。おやつやガム、いつも好きな遊びを差し出すのも良い方法です。
近くで上がる花火の破裂音や、床を伝ってくる振動は、家庭用のスピーカーではどうやっても覆えません。雷はさらに厄介です。雷雲は鳴り出す前から気圧を下げ、空の色を変えるため、犬は雷鳴が聞こえる前からそわそわし始めることがあります。ペット保険会社の解説でも同じ理由が指摘されています。音を隠すことはできても、気圧の変化そのものにはどんな音も効きません。
ただの怖がりを超えていたら
震え、激しいパンティング、よだれ、隠れて出てこない、ドアや窓を壊しかねないほどの逃げ出そうとする行動。獣医師の団体(米国獣医動物行動学会)は、これらを普段の怖がりではなく音恐怖症のサインとして挙げています。ここまで来たら、獣医師か、できれば動物行動学に詳しい獣医師に相談してください。投薬が必要になることもあり、大規模な飼い主調査では、花火恐怖に処方薬を使った人の約7割が効果を感じたと答えています。
次に備えて
花火や雷への恐怖は、練習で和らげることができます。同じ獣医師の団体によると、通常6週間から8週間はかかり、落ち着けるようになるまでさらに数か月かかることもあります。今年つらい思いをしたなら、来年に向けた対策は、花火大会や梅雨入りが始まる前の静かな時期に、獣医師と一緒に始めます。投薬が必要かどうかも獣医師の判断で、当日の夜になって急に用意できるものではありません。
花火大会は開催日が決まっているので、近所や旅行先の日程をカレンダーに入れておきます。雷雨は予定が立てにくいものの、天気予報の雷注意報や梅雨明けの発表が出た日から数日は、夕方以降の音とカーテンの準備をしておく価値があります。
猫も同じです
猫は歩き回ったり鳴いたりせず、じっと隠れるだけのことが多いので、怖がっていても気づかれにくいです。日没後は室内に入れ、キャットドアをふさぎ、高い場所や囲まれた隠れ場所を自由に使えるようにしておきます。英国の動物保護団体RSPCAも同じ対応を勧めています。無理に引っ張り出さず、静かになってから自分で出てくるのを待ちます。
よくある質問
犬が雷を怖がるときはどうすればいいですか?
雷が近づいてくる気配を感じたら、音を流し始め、犬がいつも落ち着ける場所にいさせます。震えたり隠れたりしても無理に動かさず、そばで普段通りに過ごします。犬が自分から寄ってきたら、撫でて構いません。
花火と雷では、犬の怖がり方に違いはありますか?
反応そのものは似ていますが、雷のほうがやっかいです。花火は音と光だけの現象ですが、雷雲は鳴り出す前から気圧を下げ、空の色を変えます。そのため雷鳴が聞こえる前から犬がそわそわすることがあり、これは音を流しても防げません。
花火や雷への慣らしは、いつから始めればいいですか?
獣医師の指導のもとで進める場合でも、効果が出るまでに数週間から数か月かかると言われています。毎年同じ時期に怖がる犬なら、来年の対策は花火大会や梅雨入りが始まる前の静かな時期に始めます。
猫も花火や雷を怖がりますか?
はい。ただしじっと隠れるだけのことが多く、気づかれにくいです。日没後は室内に入れてキャットドアをふさぎ、高い場所か囲まれた隠れ場所を用意し、自分から出てくるまで待ちます。
参考資料
- American Veterinary Society of Animal Behavior, A dog’s least favorite holiday。音恐怖症の治療期間と、獣医行動診療科認定医や行動治療専門の獣医師に相談すべき目安について。
- Riemer, S. (2020). Effectiveness of treatments for firework fears in dogs, Journal of Veterinary Behavior 37, 61–70。1,225人の飼い主を対象にした調査。公開プレプリント版に投薬と環境調整の詳しい数値が掲載されています。
- アニコム損害保険, 犬の雷・花火恐怖症について。雷が音以外に気圧や空の色の変化でも犬を怖がらせる点について(『みんなのどうぶつ病気大百科』コラム)。
- RSPCA, Fireworks and pets。猫を含むペット全般の花火対策について。
関連ガイド
- ブラウン・ホワイト・ピンクノイズの違い は、花火や雷にどの色のノイズが向くかを周波数の観点から解説しています。
- ノイズの色の種類 は、それぞれの色がどんな音域を覆うかをまとめています。
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